石田君のコメント [kstac:00110]

  無事に赤石岳から下山しました。正式な(?)報告は、井坂からコー
スタイム時間付きであると思いますが、今回の山行について、個人的な
コメントを以下に書きます。

  今回の山行の伏線は、13年前(1985年3月)、私と井坂が1年
生だった時の春山合宿にあります。当時のメンバーは、4年の深沢、
吉田、2年の横山、1年の井坂と私、の5人で、今回と同じく椹島から
赤石東尾根のアタックでした。
  その時は、予定通り3日目に富士見平にBCを設置後、停滞1日を挟
んで都合3回アタックをかけました。1回目はルート工作に時間がかか
って引き返し、2回目は核心部の岩峰直下まで行ったものの天候の急変
でホワイトアウトした中を退却、翌日は南岸低気圧の接近で雨に見舞わ
れてテント内でズブ濡れ、最後の3回目は好天の下で岩峰を越えるとこ
ろまで行ったのですが、その先の稜線の雪の付き方がいやらしく退却・
・・というものでした。

  で、今回山行は13年前の記憶と照らし合わせながらの非常に味わい
のある山行でした。

<今回の勝因>

  積雪量の違い:
    正月と3月の違いを実感。特に今回ラッキーだったのは、椹島手前
  までタクシーで入れ、入山時の歩行時間が3〜4時間分省略できたこ
  とです。静岡〜赤石渡間小型で約 26,000円。

  冬季小屋の利用:
    赤石小屋は尾根上に新館が建てられ、旧館は冬季小屋として完全に
  開放されていました。そして、何と3分下ったところに水場もありま
  した。

  ルートファインディング:
    前回では、富士見平から東尾根上をまともに一つずつ越えていった
  ため、途中のルート工作にかなりの時間を要していました。しかし今
  回は最初夏道ルートを辿り、小ピークを1つ巻いた地点から尾根上に
  出たので、アタック時間がかなり短縮できました。

  メンバー:
    実は4名ともまともな冬山は数年ぶりで、事前にランニングを10
  回もやっていた(らしい)人もいました。奈良部さんからは事前に、
 「4人ともトレーニングをしているとはとても思えないので、無理し
  ないように!」との指摘も頂いていました。
    しかし、そこは今までの経験と残っていた体力で十分カバー出来た
  みたいです。
    無事に下りてこれて良かったです。

  学生と社会人の違い:
    行きは新幹線、静岡からの入下山(片道70〜80キロ)はタクシー、
  帰りは静岡のビジネスホテルでのんびり一泊・・・と、昔の学生時代
  なら間違いなくやらなかったことを今では当たり前のようにやってい
  ます。しかし、これが山行の楽しさを倍加させたことは否めないと思
  います。
    会社に就職しても、今は年末年始や夏の休暇は1週間以上取れるの
  で、時間の点でも学生との差異は少ない、といってもいいでしょう。
    そうそう、少量のお酒も最近は必ず持参するようになりました。

    「学生らしい」山行をすることとは、予備日を含めずに正味1週間
  以上の日程、ほとんど人の入らない山域に入る、年末年始やお盆の時
  期を外して山に入る、食料にお金をかけない、とかが最低条件になり
  そうですが、いかがでしょうか?


                                                  (おわり)

                              98/01/03(土) 20:00 石 田

 

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